「脱毛総研」をご覧のみなさん、はじめまして! ライターの社領エミです。
1990年兵庫県生まれの“アホなフリーライター”。取っつきにくいことをわかりやすく噛み砕いたり、ユーザーが気になることをインタビューしたりしている。最近の悩みは、「夫のケツ毛をブラジリアンワックスでうまく処理できないこと」。
突然ですがみなさん! 脱毛、してますか~!?
私はしました! 一時期全身脱毛をしにサロンに通っていたので、現在は全身の毛はかなり薄くなりました。毛が薄くなったことが快適すぎて、ここしばらく腕毛もすね毛もまったく剃っておりません!
今回はそんな私に、脱毛総研の編集部さんから「世界の脱毛事情について聞いてきて!」との依頼があり、こうして記事を書いております。
世界の脱毛事情、確かに気になりますね。日本で一番メジャーなのは光脱毛ですが、海外では何がメジャーなんでしょう。脱毛で重視する部位も、各国で違いがありそうですね。あと、やっぱり一番気になるのが……。
海外の人って、だいたい下の毛がツルツルってほんとなの……?
これ、よく噂で聞きますよね〜? き、気になる〜〜〜! これが一番気になるよ〜!
というわけで、実際に世界各国から日本にやってきた女性たちに「世界の脱毛事情」について聞いてみることに!
今回お集まりいただいたのは、こちらのお三方。
ティナさん(左) …… インド生まれ、バングラデシュ育ち。日本に来て20年目(!)、職業はモデル兼バーテンダー。
レイラさん(中) …… ロシア出身、日本に来て7年目のモデル。
リディアさん(右) ……カナダ出身、日本に来て7年目の会社員。
レイラ:よろしくお願いします~!
リディア:よろしくお願いします。
社領:よろしくお願いします! うわ〜、みなさんめっちゃ日本語うまいですね!
ティナ:いえいえそんな、とんでもないことでございます!
社領:いや、急に達者感出してくるやん!!
社領:みなさん、日本在住歴7年以上だと聞いてます。超日本語がうまくてノリがよさそうな方々で良かった〜! さっそく、脱毛に関するお話を聞いていきたいと思います!
脱毛大国・日本。海外ではむしろ男性がムダ毛を気にする?
社領:というわけで……さっそくですが、脱毛事情をお聞かせください! みなさん、どの部位を脱毛されてますか?
レイラ:えっ、脱毛ですか?
リディア:いやぁ、うーん……。
全員:……したことないですね……。
社領:えーっ! ど、どういうこと!? 脱毛サロンやクリニックに行ったことない!?
ティナ:行ったことないです、まったく。
社領:まじか〜〜〜! これ、「脱毛総研」ってメディアなんですけど!? 世界の脱毛について話をするもりが、まさかの企画倒れ……!?
▲この記事、どうなっちゃうのよ〜!?
レイラ:フフ、なんかすみません。でも、私の周りでサロンやクリニックで脱毛してる人自体そんなにいないですよ。
社領:えーっ、そうなんですか!? でもどうして……? 脇とか腕とか、いつも剃るの面倒じゃないですか?
リディア:脇は剃ればいいし、私の周りの人もみんな基本的に腕の毛は生やしてます。
ティナ:ですよね。アジア人以外で腕の毛を気にしてる人ってあんまり見たことないです。
社領:そ、そうなのー!? え、じゃあ足もですか?
ティナ:足は剃るでしょ(笑)。
社領:足は剃るのが当たり前なんだ……? なんで腕の毛は生えたままでよくて足はダメなの?
レイラ:どうしてだろう……なんか、足はツルツルのほうがキレイだなって感じますね。あと、サロンでの脱毛って高い割に、毛の色や細さによって全然効果がなかったりもするから、わざわざサロンに行ってお金をかけなくていいかなって思っちゃいます。
▲写真では全然見えないですが、レイラさんの腕に生えている毛は ほっそ〜い金色の毛。この毛だと、黒い毛に反応する「光脱毛」は効かないかもしれないなぁ。
社領:あ~、なるほど……! 日本人はほとんどの人が毛が黒くて光脱毛の効果が出やすいから、脱毛がメジャーなのかもしれないですね。あとたまに、「脇の脱毛を500円で試そう!」って感じのお得なキャンペーンをやってるし。
リディア:500円……! そんな安いの、海外にはないですよ! すごいなぁ。
社領:日本では、いろいろなサロンがそういったお試しキャンペーンをやっているので、「サロンをハシゴして脇の脱毛を済ませる人もいる」って聞いたことがあります。
ティナ:いや、何やってんの?日本の経済はいま回さないとだめでしょ?
社領:めちゃめちゃ正論で黙っちゃう〜! まぁ、1回脇を脱毛すると全身のムダ毛が気になってきちゃって、結局いろいろ契約しちゃうんですけどね。
ティナ:日本人って、全身の毛を気にしますよね。日本に来るまで、顔の産毛なんて気にしたことなかったです。
▲はじめて顔の産毛の話を聞いたとき、「どこに産毛なんてあるの……?」と驚いたというティナさん
ティナ:そういえば、私の故郷のバングラデシュはイスラム教徒が多いのですが、イスラム教徒の女性は基本的に衣類や布で体を隠すので、処理をする必要があまりなかったですね。
社領:なるほど! 露出が少ないとその辺は楽でいいですね〜。宗教によってそういう違いもあるのかぁ。
ティナ:あと、私は詳しくは知らないんですけど、イスラム教って神様からいただいたものは自然のままにしておくっていう思想があるらしいから、脱毛サロン自体が少なくて、女の人はわりとムダ毛がボーボーなんです。
でも不思議なのが、バングラデシュって男性は脇毛も下の毛もツルツルなのが当たり前なのよ!
社領:えー! そうなのー!?
レイラ:知らなかった! なんで?
ティナ:うちの義兄もそうだけど、なぜかバングラデシュではそれが普通なのよね。ひげは生やして整えて、脇と下の毛は処理して、なんなら腕毛やすね毛も処理するしで、体毛にはすごく気を使ってる。
だから、バングラデシュの人って女性はボーボー、男性はツルツルなのよ……! 変よね〜!
社領:ティナさん、日本での生活が長すぎて、もう日本人の感覚になっちゃってる! でも、なんでだろう。不思議ですねぇ。
あとで調べてみたところ、なんとイスラム教では経典「コーラン」で「わき毛とアンダーヘアを完全に処理すること」との指示があるそう! 菌が蔓延しないように、脇と陰部は清潔に保つことを推奨されているんだとか。
また、「女性の顔に刃物を当ててはいけない」という教えもあるらしく、ティナさんが「産毛を処理したことがない」と言っていたのもこのせいかもしれませんね。ちなみに、刃物が使えない顔の毛の処理は、ナイロンの糸を使って行う糸脱毛が主流だそう。
海外の人は下の毛が全部ないって本当!?それってどうして?
社領:突然ですが私、ずっと気になってることがあるんです。噂で聞いたことがあるんですが……海外の人は下の毛を全部なくしちゃうって本当なんですか……!? みなさん、全部処理しちゃってるんですか〜!?
レイラ:いやいや、全員そういうわけじゃないです! 生えてる人だっていますよ!
社領:あ、そうなんだー。ちょっと意外です。
レイラ:私の友達はみんな、下の毛は全部ワックスか除毛クリームで処理してるんですけどね。
社領:処理してるんかい!
レイラ:彼氏に「残して欲しい」って言われてる子は残してるけど、そうじゃなければ下の毛はみんな処理しちゃうよね。
リディア:全部処理する人は本当に多いですよね。
社領:どうして全部処理しちゃうんでしょう?
レイラ:私は、下の毛にどうしても不潔なイメージがあるから、全部なくしたほうがいいと思っています。
ティナ:イスラム教徒もみんな下の毛はないはずですよ。女性は、生理が終わったあとに下の毛を処理しないとお祈りしちゃだめってルールがあるから。
社領:そんなルールがあるのか……! 生理って、なくてはならないものなのに“穢れ”とされちゃうもんなぁ。いや〜、なるほど。日本って、他国に比べると下の毛を生やしてる確率が断然高そうですね。
レイラ:あ! あと、海外の人はよくTバックを履くので、毛がはみ出ないようにっていうのもあると思います! 私、Tバックしか持ってないし。
社領:えー! そうなの!? な、なんで?
リディア:日本の方って、ふわっとしたワンピースやスカートで、お尻のラインを隠す傾向があるじゃないですか。だけど、海外の人はラインが見える服が主流。Tシャツの下はタイツだけというスタイルがざらなので、線が出ちゃう下着はあんまり履かないんです。
社領:あー! いるいる!! 夏場に日本で見る観光客の方とかめちゃめちゃ大胆なファッションですもんね。私は体型に自信がないから、タイツだけで出歩くなんて無理だなぁ。
ティナ:海外では、日本みたいに「細い=スタイルがいい」ではなく、全体のバランスを見て「出るところが出てる=素敵」って感覚なんですよ。だからお尻も胸も強調するんです。どんなババアだって余裕でピタッとしたやつ着てますよ!
社領:ババアって!
レイラ:というか、誰になんと思われようと関係ないんだよ! 誰かのために服を着てるわけじゃないし、「見るのが嫌なら見なくていい」って思います!
社領:いやー、そのくらい振り切れるといいんですけどね、なかなかなぁ〜……。しかし、冷静になってみると……体のラインは隠して見えるところの毛は全部ツルツルにするくせに、いざパンツを脱ぐとボーボーって不思議な羞恥心だな、日本人……。
男性のための除毛なんてナシ! 最大のライバルは“同性女子”。
社領:みなさんのお話、日本で当たり前とされている毛に対する感覚と全然違って面白いです! 特に腕毛を剃らないのは、超楽そうでいいですよね。私、夫と付き合いたての頃は毎回気合いを入れて剃ってたので大変だったなぁ。女の子と遊ぶときは、腕の毛の処理とかまったく気にしないんですけど……。
リディア:えー! あくまで私たちは逆です! 男性の目は気にしてないですね。
ティナ:めっちゃわかる! 男性はムダ毛なんか気づかないでしょ。むしろ、女の子の目線のほうが気になるわ!
社領:えっ、そっちなんだ! 「彼氏に会うから気合いが入る」じゃなくて?
レイラ:うんうん。ロシアでは、女の子たちはみんな同性の目を気にしてました。ボディケアもファッションも、男性とのデートより女同士で遊ぶときのほうが断然気合いが入ってますよ。
ティナ:女同士のお出かけはバトルですからね。私たちの中で、誰が一番オシャレで素敵かっていう。
社領:そうなんだ〜……!
レイラ:そうですよ、女は基本的に女を見てますから。デート中のカップルとすれ違ってもまず女性を見て、そのあと男性を見て……「あ〜……まぁ、あなたならそのレベルの彼氏だよね」って。
社領:めちゃめちゃ性格悪いな!!
ティナ:あ〜、超わかる。みんなそうですよ。よく女同士で目が合うもんね。
▲「あ〜……まぁ、そのレベルの彼氏だよね」の顔
社領:えっ、じゃあ友達同士で集まって服装が被ったら、大変なことになるんじゃないですか?
レイラ:それはめちゃめちゃ恥ずかしい。顔上げられない。「帰って着替える?」って友達に相談する。
社領:そこまで〜!?
レイラ:だから、趣味が合う友達には遊ぶ前日に「何着るの?」って連絡して、服装が被らないようにしますね。
ティナ:たとえば、バングラデシュではお正月に黄色い服を着るって習わしがあるんですが、そのときもみんな服装が被らないように既製品は着ません。自分で生地を買って、クリエイターにオーダーして、「絶対に私の服が一番綺麗!!」って超気合いを入れて臨むんですよ。ユニ◯ロなんか着てられるか!
社領:え……? 私、いま全身ユニ◯ロなんですけども……。
▲ユニ◯ロ、大好きです
レイラ:ずっと思ってたんですけど、日本の脱毛の広告って「脱毛したらデートでいいことが起こるかも!」みたいな、「男性に好きになってもらうため」ってニュアンスが大きい感じがしますね。男性よりも女性のほうが、恋愛において立場が弱そうというか。
社領:うーん……。カップルによるとは思いますが、確かに日本はそういう思想が強いかもしれません。少女漫画なんかだと、まだまだ「男の人に守ってもらう」「男の人を振り向かせる」みたいなストーリーの作品があるので。
私がデート前にムダ毛を処理するのは、彼氏に「“ムダ毛が生えてる女”って思われたくない! 」って気持ちがやっぱりあるからです。
レイラ:私、彼氏に「処理してないの?」なんて言われたら「うるせぇ! じゃあお前がやれ!」って言っちゃいますよ。
▲「うるせぇ! じゃあお前がやれ!」のポーズ
ティナ:なんで彼氏に指図されないといけないのかわからないよね。彼氏にジャッジされたくねぇ!
社領:めちゃめちゃ対等な関係だな〜! 異性に好きになってもらうためじゃなく、ただ自分自身が美しくいるための剃毛や脱毛なんですね。
レイラ:そういえば、海外ではかなりフェミニズムの思想が広がっているんです。「どうして女性だけが毛の処理をしないといけないの?」って疑問を持って、脇の毛を処理しなかったり、カラーを入れたりしている子がたくさんいて。私の友達にも、足の毛をまったく剃らない子がいます。
社領:へー! そうやって、毛のあり方に疑問を持って行動されてる方がいるんですね。日本にもいると聞いたことはありますが……。
ティナ:海外よりはまだまだ少ないと思います。でも、そういう人が増えてきてはいると思うし、今後もどんどん増えていきそうですよね。
レイラ:日本はまだまだ、職場でも家庭内でも男性のほうが力が上な感じがします。でも、どんどん覆ってきているし、きっとこのまま進めば、脱毛しない女性も増えるんじゃないかなって思います。
社領:「脱毛総研」ってメディアでこんなこと言いづらいけど、すごく納得感があるなぁ……! まだまだ想像がつかないけど、男性と同じくすね毛や腕毛が生えたままの女性が堂々と街を歩く日が来るのかもしれませんね。そんなこと考えたこともなかったです。
一方で、衛生的な観点や美意識で脱毛をする人も一定数はいるんだろうなぁ。
みなさん、今日は海外の脱毛事情について、面白いお話をたくさん聞かせていただきありがとうございました!
全員:こちらこそ、ありがとうございました! 楽しかったです!
というわけで、世界の脱毛事情を海外からきた女性たちに聞いてきました! 今回聞いたのは、あくまで3人の女性のお話。なので、「世界の脱毛に対する意見が絶対にこうだ!」と言い切れるものではありません……が!
普段聞かないような話をたくさん聞くことができて、私はとても面白かったです〜! みなさんにも興味深いと思っていただける記事になっていたならうれしいです。
社領エミでした。
・国によって剃毛・脱毛する部位の傾向が違う
・宗教上の理由で剃毛・脱毛する場合がある
・海外の女性は男性よりも女性の目を気にする
・海外ではフェミニズムの思想が広がっており、脇毛を処理しない人やカラーリングしている人がいる